「しびんやパウチの洗浄、既存のトイレだとやりづらい…」
オストメイトの方にとってのトイレは、排泄だけでなく洗う・流す・確認する・捨てるを連続して行うケア空間です。
しかし、一般的な家庭用トイレでは、手が汚れた状態での操作・飛散・ニオイ処理・装着状態の確認まで想定されていないことが多く、使いづらいと感じてしまう方が多いのではないでしょうか。
今回は、家庭でも導入できるオストメイト対応設備3選と、使いやすさと清掃性を高める具体的なポイントをご紹介します。
自立と清潔を両立するトイレ改修のスタートラインを一緒に確認していきましょう。
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車いす対応想定のトイレのバリアフリーリフォームについて詳しく知りたい方は以下のリンクをご覧ください。

オストメイトとは?

オストメイトとは、様々な病気や事故により、腹部にストーマ(人工肛門・人工膀胱)を増設された方を指します。
ストーマまでは、自分の腸や尿管を使い、排泄物を一時的に受けるストーマ装具(パウチ)をストーマ部位に装着して排泄物を受け止め、定期的に交換・廃棄・洗浄を行いながら生活します。
外見ではわかりづらい内部障害であるため、社会的な理解が十分に進んでいません。
オストメイトの人口はおよそ20万人で、男女比はおよそ6対4、平均年齢は70歳を超えています。
家庭で導入できるオストメイト対応設備3選

TOTO株式会社 オストメイト配慮のご提案(https://jp.toto.com/products/accessible/ostomate/)

TOTO株式会社 パウチ・しびん洗浄水栓付背もたれ(https://jp.toto.com/products/accessible/backrest/)

さつき株式会社 ZA FREE(https://pri-zafree.com/)
オストメイトの方がトイレで行う動作は一般的な「座る→流す→手を洗う」だけではありません。
代表的なケア動作には以下のような連続した流れがあります。
- しびん・パウチの排泄物の洗浄
- 交換前後の皮膚ケア
- パウチ交換とごみ廃棄
- 装着状態の手元確認
- 行為や備品の取り出し・定位置収納
- ケア後の清掃・水仕舞い
これらの動作すべてを無理なく清潔に行える環境が、日々の生活の負担を大きく変えます。
自宅のトイレ空間では、オストメイト視点の設備やレイアウトが不足していると、次のような困りごとが生まれやすくなります。
- 手が汚れた状態でのレバーや水栓を触ることへの抵抗感
- 洗浄時の水はね・飛散
- 交換時や洗浄後のニオイのこもり
- 立位・材・車いす姿勢に合わない高さ設計
- 備品を一時的に置く場所がなくカウンターが足りない
- 介助者が入りにくい動作のスペース不足
このような「想定されていない動作のストレス」がオストメイトの方にとっての使いづらさにつながります。
そのため、オストメイト対応トイレでは、交換・洗浄・廃棄の連続動作を無理なく行えることが大切です。
次のセクションでは、具体的に、家庭で導入できるオストメイト配慮設備の3つのパターンをご紹介します。
設備 pt.1 オストメイト専用トイレ

TOTO株式会社 オストメイト配慮のご提案(https://jp.toto.com/products/accessible/ostomate/)
「オストメイト専用トイレ」とは、パウチ(装具)の交換・洗浄・確認・廃棄動作を一連で行えるよう配慮された機能的なオストメイト対応トイレ設備です。
オストメイト専用トイレの主な特徴は以下の通りです。
- 洗浄しやすい深型ボウル設計の汚物流し
- 吐水口が引き出し式でお湯が流れる水栓
- 備品が置けるカウンターやフック
- 手元が確認しやすい鏡・ゴミ箱
各メーカーでは、ストーマからの排泄物を直接洗える流し機能(水栓)や、水はねを抑えるボウル設計がされた汚物流し、手の届く位置のカウンター、手元確認のしやすい鏡がセットになったものがラインナップされています。
設備 pt.2 パウチ・しびん洗浄水栓付背もたれ

TOTO株式会社 パウチ・しびん洗浄水栓付背もたれ(https://jp.toto.com/products/accessible/backrest/)
オストメイト専用トイレと一般用トイレの両方を設置するスペース確保が難しい住宅改修で活躍するのが、簡易的なオストメイト対応トイレの「パウチ・しびん洗浄水栓付き背もたれ」です。
便器上の背もたれと洗浄用のハンドシャワー水栓を一体で構成した製品のため、既存の便座はそのままに、パウチ(装具)や尿瓶の洗浄動作をトイレ空間で完結しやすくします。
背もたれの前出調整と水栓の上下調整により、様々な便器・便座の組み合わせに対応することができます。
使い方は以下の通りです。
- 水栓の部分を前に倒す
- 便座を上げる
- 水栓から水を出して、パウチを洗浄する(汚物はトイレに流す)
背もたれは材を安定させたり、身体を保持する場合に便利です。
設備 pt.3 家庭用オストメイト対応便座 ZA FREE

さつき株式会社 ZA FREE(https://pri-zafree.com/)
家庭用トイレを「オストメイト対応」にする際、比較的導入しやすいのがこの便座です。
通常の便座と比べ、便座の開口部(特に前部)が広くなっており、パウチ(装具)の処理を「座ったまま」行えます。
大がかりなトイレ空間の改修をせず、便座の交換だけで配慮型トイレへとアップグレードできるのが強みです。
オストメイト対応のトイレを設置する際、スペースや予算に制約がある方向けとなっています。
洗浄まで一括で行いたい場合は、ケアシャワーモデルがおすすめです。手洗いや便器清掃にも対応できるよう設計されています。
使いやすさを高める周辺設備と設計

TOTO株式会社 オストメイト配慮のご提案(https://jp.toto.com/products/accessible/ostomate/)
オストメイト対応トイレを実用的なケア空間にするには、便器や便座の交換だけでなく、周辺設備とレイアウト設計の合わせ技が欠かせません。
特に住宅では、毎日使う・清掃する・家族や介助者と共有するという前提があるため、「使いやすさ」と「衛生・維持管理の負担を増やさないこと」の両軸で設計することが大切です。
手が汚れても使いやすい水栓

TOTO株式会社 オストメイト配慮のご提案(https://jp.toto.com/products/accessible/ostomate/)
パウチやしびんの洗浄後は、手が汚れた状態で操作せざるを得ないシーンもあります。
そのため、水栓は非接触または、最小限の動きで開閉・角度調整ができるものが使いやすく、パウチを処理した後にスムーズに戦場へ切り替えられる高さや位置に設計することが重要です。
引き出し式のハンドシャワー水栓を採用すれば、ボウルの狙い位置へノズルを近づけやすくパウチの洗浄もしやすい他、清掃にも便利に使うことができます。
清掃のしやすさを決める床材
洗浄・交換・廃棄の一連の動作を繰り返すトイレは、通常よりも飛散しやすく、洗浄剤・消臭スプレーの使用頻度も高くなりがちです。
床材には、水・薬剤・アンモニア・ニオイの吸着ケアにも耐えられる床材を選ぶことをおすすめします。
継ぎ目を増やさない納まりで施工することで、清掃動作そのものの工数やメンテナンスの負担を新たに増やさない仕上がりになります。
装着状態を確認しやすい鏡の位置

TOTO株式会社 オストメイト配慮のご提案(https://jp.toto.com/products/accessible/ostomate/)

TOTO株式会社 オストメイト配慮のご提案(https://jp.toto.com/products/accessible/ostomate/)
ストーマ装具やパウチ装着状態の確認は、オストメイトの方が安心してケアを進めるうえで必須の動作です。
鏡は手元や装着状態が確認できるよう、立位・座位などの使用方法に応じて、適切な位置と角度で配置します。
手の届きやすい備品カウンターを設置すると便利

TOTO株式会社 オストメイト配慮のご提案(https://jp.toto.com/products/accessible/ostomate/)
パウチ交換には一時的な仮置き・備品取り出し・ごみまとめの動作が頻繁に発生します。
カウンターは手の届きやすい位置に配置すると、床を汚さずスムーズなケア動作を進めることができます。
ゴミ袋を引っかけるフックなども設置すると便利です。
車いすユーザーはアプローチしやすいものを選ぶ

TOTO株式会社 オストメイト配慮のご提案(https://jp.toto.com/products/accessible/ostomate/)
車いす使用者がオストメイト対応トイレを使用する場合は、足元の空間が広いタイプを採用するとアプローチがしやすくなります。
周辺設備の設計は、パウチ洗浄や交換動作をなるべくシンプルな動線で行うことや、日々の清掃・維持管理の手間を増やさずに完結できることが特に大切です。
車いす用トイレとオストメイト設置の施工事例
車いすを使用して生活するお客様の施工事例です。
使用頻度の少なくなった部屋をトイレに改装して車いすでも快適に使える広い空間を確保し、個室内に、トイレとオストメイト、車いす用洗面台を設置しました。
施工事例
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