「移乗介護」のたびに抱え上げるのは本当に大変…
介護の中でも大きな負担となるのが「抱え上げ介助」です。
利用者の安全を守りながら移乗を行うには、介助者の体力やコツが必要で、腰痛や転倒のリスクにつながることも少なくありません。
そんな介助の負担を大きく軽減してくれる福祉機器、「天井走行リフト」をご存じでしょうか。
天井走行リフトとは、スリングで身体を包み、電動で吊り上げた状態でレールに沿って移動するリフトのことです。
例えば、介護の現場では「女性が男性を抱え上げる」といった場面も少なくありません。
天井走行リフトは電動で移乗を補助してくれるため、介助者の力に頼らず、安全で安心な介護を実現します。
今回は、天井走行リフトのなかでも、アビリティーズ・ケアネット株式会社が提供する「グルドマンGH3」「GH1」「GH1Q」について詳しく紹介します。
「抱え上げ介助をラクにしたい」「安全に移乗できる方法を探している」という方は、ぜひ参考にしてください。
参考:外部リンク(アビリティーズ・ケアネット株式会社)



参考リンク
天井走行リフト:Maxi Sky 2・Maxi Sky 440(アルジョ・ジャパン株式会社)
天井走行リフト:つるべーTEN C-450(株式会社モリトー)

天井走行リフト:パートナー・ポータブルパートナー(株式会社ミクニライフ&オート)

安心・安全な移乗をサポート|力に頼らない介助へ

車いすの移乗の際に利用者を抱え上げる動作は、介助者にとって大きな負担となります。
特に体格差がある場合や、繰り返しの動作が必要な場合、腰痛や転倒のリスクが高まります。
さらに浴室などの滑りやすい場所では、介助者の熟練したコツが求められるため、安心して介助を行うのは大変です。
天井走行リフト「グルドマン GH3」「グルドマン GH1,Gh1Q」は、力に頼らないものに変えると同時に、利用者を安全に移乗・移動する役割を果たします。
それぞれのモデルごとの特徴やスペックを詳しく見ていきましょう。
グルドマン GH3

最大荷重250kgのパワフルな天井走行リフト。
利用者をレールに沿って手動で移動させるタイプに加え、電動で移動できるタイプも用意されているのが特徴です。
また、リフティングをしていない時には高速で動作する「ターボシステム」を搭載しており、待ち時間を短縮できます。
| 負荷 | 昇降スピード |
|---|---|
| 85kg(リフティングしている時の目安) | 4.0cm/秒 |
| 5kg(リフティングしていない時の目安) | 10.0cm/秒 |
本体は、バッテリー方式で、フル充電は約2時間です。
直線型の充電レール部分に本体を移動させておくだけで充電できるため、充電忘れの心配が減少します。

操作は直感的に行えるよう設計されており、有線手元スイッチとワイヤレスリモコンのいずれかを選択可能です。
手元スイッチはやわらかいシリコン製の円形ボタンと握りやすいグリップで構成され、最小限のボタン配置で誰でも使いやすいデザインになっています。
後述する「ポジショニングロック(オプション)」と組み合わせて利用できます。
安全機構は以下の通りです。
- 上昇下降リミットスイッチ
- 緊急停止装置
- 緊急下降装置
- 上昇時ねじれ巻き込み防止装置
- 無負荷感知ロック機構
- オートパワーオフ機能
- スロースタート機能
製品についてさらに詳しいことが知りたい方は、下記のバナーからお問い合わせください。
専門知識をもった担当者が、住環境に合わせた最適なプランをご提案いたします。
グルドマン GH1,GH1Q

最大荷重205kgまで対応した天井走行リフト。
利用者をレールに沿って手動で移動させるタイプで、シンプルながらも高い信頼性を備えています。
モデルは以下の2種類です。
- GH1:常設タイプ
- GH1Q:ポータブルタイプ(本体を取り外して持ち運び可能)

特にGH1Qは、レールを複数設置している場合に、最小限の本体数で効率的に利用できるのが特徴です。
例えば個人宅で「寝室+浴室」にレールを設置している場合や、グループホームで利用者の居室ごとにレールを設置している場合はGH1Qの利点を最大限に利用できます。
| 負荷 | 昇降スピード |
|---|---|
| 85kg(リフティングしている時の目安) | 4.0cm/秒 |
| 5kg(リフティングしていない時の目安) | 8.0cm/秒 |
リフティングしていない時には高速で動作する「ターボシステム」を搭載しており、待ち時間を短縮できます。

本体はバッテリー方式で、フル充電は約3時間です。
手元スイッチを充電ホルダーに接続して充電します。
操作部分はやわらかいシリコン製のボタンと握りやすいグリップで構成されており、最小限のボタン配置で誰でも直感的に使いやすいデザインとなっています。
安全機構は以下の通りです。
- 上昇下降リミットスイッチ
- 緊急停止装置
- 緊急下降装置
- 上昇時ねじれ巻き込み防止装置
- 無負荷感知ロック機構
- オートパワーオフ機能
- スロースタート機能
グルドマン GH3 / GH1 / GH1Q 比較表
| 製品名 | GH3 | GH1 | GH1Q |
|---|---|---|---|
| 特徴 | 小型ながらパワフル。 手動/電動で移動できるタイプあり。 ポジショニングロックと組み合わせ可能。 |
常設タイプ。 シンプルで安定した操作性。 |
本体を取り外せるポータブルタイプ。 複数レールを設置していても、 最小限の本体数で活用可能。 |
| 最大荷重 | 250kg | 205kg | 205kg |
| 移動方式 | レールに沿って手動/電動で移動 | レールに沿って手動で移動 | レールに沿って手動で移動 |
| 昇降スピード | 85kg負荷時:4.0cm/秒 5kg負荷時:10.0cm/秒 |
85kg負荷時:4.0cm/秒 5kg負荷時:8.0cm/秒 |
85kg負荷時:4.0cm/秒 5kg負荷時:8.0cm/秒 |
| 充電方式 | バッテリー方式 充電時間:約2時間 直線型充電レールにおくだけで充電可能。 |
バッテリー方式 充電時間:約3時間 手元スイッチを充電ホルダーに接続して充電する。 |
バッテリー方式 充電時間:約3時間 手元スイッチを充電ホルダーに接続して充電する。 |
自由度の高いレールレイアウトで広がる活用方法

天井にレールを設置することで、居室・病室からトイレ、浴室、デイルーム、リハビリ室、手術室までシームレスに移動が可能になります。
床や段差、通路幅の影響を受けないため、介助スペースを広く有効に活用でき、訓練やケアの場面でも応用範囲が広がります。
実際に、施設内で全長約4kmに及ぶレール設置事例もあるほどです。
室内を自由に移動できる「ルームカバリングシステム」

レール自体が左右に移動し、リフトの前後移動と組み合わせることで、部屋全体を自由自在にカバーできます。
固定レールのみのレイアウトに比べ、介護の省力化や自立度工場に大きく貢献します、
部屋間の移動を可能にする「コンビロックシステム」

部屋内のレールとほかの部屋のレールを接続できる独自の仕組みです。
レールが正確に接続された時だけストッパーが解除される安全装置付きで、安心して居室間の移動が行えます。
狭い場所での方向転換に便利な「ターンテーブル」

電動で回転することで行きたい方向を選べる機能です。
廊下での方向転換や、脱衣場から浴室への進入、トイレが左右に分かれている場合など、省スペースで柔軟に移動が可能です。
レールを切り替える「トラックスイッチ」

もっとも一般的に利用される分岐方法です。
スイッチ操作で90度の方向転換ができ、利用者自身でも操作可能です。
レイアウトに合わせて設置できる「カーブレール」

30度、45度、60度、90度と角度を選択できるため、建物の構造や部屋のレイアウトに合わせた柔軟な設置が可能です。
これらのレールシステムを組み合わせることで、利用者・介助者の動線や介護環境に合わせた柔軟な移動が可能になり、より安全で効率的な介護を実現できます。
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「スリング選び」がカギ?失敗しないためのポイント

天井走行リフトを安全に使うためには、本体やレールと同じくらい「スリング」が重要です。
スリングは利用者の身体を直接支える大切な部分であり、サイズや形状を誤ると「高さが足りない」「身体がずれてしまう」といったトラブルにつながります。
例えば、浴槽をまたぐときには、天井の高さと浴槽のフチの高さ、スリングを使って実際に吊り上げ時の高さの確認が必要です。
この確認を怠ると、昇降の高さが不足し、浴槽のフチに足やお尻が当たって浴槽のフチを超えられない場合があります。
また、レールの位置とスリングの姿勢によっては、手や足、頭が壁などにぶつかる危険もあるため、注意が必要です。
介助者側にとっても、リフト本体やスリングの位置関係によって、スペースが十分に確保できず、介助をしにくくなる場合があります。
天井走行リフトを検討する際には以下のポイントを必ず確認し、天井走行リフトとスリングのセットで検討することが大切です。
- 利用者の体格や身体状況にあったスリングかどうか
- 天井の高さ・リフト本体・スリングと利用者の姿勢を踏まえ、移乗・移動に十分な高さが確保できるか
- 使用する場所(ベッド、浴室、トイレなど)の環境に適したタイプか
- 介助者がが使いやすい動線やスペースが確保できているか
「スリング選び」を軽視すると、せっかくの天井走行リフトが使いづらくなり、介助が不安定になる可能性があります。
導入時には必ずリフト本体とスリングをセットで検討しましょう。
実際に導入を検討している場合は、まず専門家に相談することをおすすめします。
専門知識をもった担当者が住環境に合わせた最適なプランをご提案いたしますので、気になる方は以下のバナーからお気軽にお問い合わせください。
さらに使い方を広げるオプション|ポジショニングロック


天井走行リフトの利便性をさらに高めるオプションが「ポジショニングロック」です。
これはリフト本体と移動レールの動きをスイッチ操作で固定できる仕組みで、いわば「ブレーキ装置」のような役割を果たします。
設置可能な天井走行リフトは「グルドマン GH3」です。
リフトやレールが不意に動く危険を回避することができ、「トレーナーモジュール(免荷機能が内蔵された装置)」と併用すれば、多様なリハビリや早期離床のサポートにもつながります。
利用シーンの例
- 利用者を特定の位置で安定させて介助を行いたいとき
- 移動の途中でリフトを一時的に止めたいとき
- リハビリやトレーニングで「固定」と「移動」切り替えて使いたいとき
ポジショニングロック単体では使用できませんが、既存リフトへの後付けも可能(要施工)です。
導入することで、安全性と活用の幅をさらに広げることができます。
天井走行リフトは、介助者の力に頼らず、安心・安全な移乗をサポートしてくれる福祉機器です。
なかでもグルドマン GH3・GH1・GH1Qは、耐荷重性能や昇降スピード、柔軟なレールレイアウト、そしてスリングやオプションの組み合わせによって、多様な介護・リハビリシーンに対応できる優れたシリーズです。
参考リンク
天井走行リフト:Maxi Sky 2・Maxi Sky 440(アルジョ・ジャパン株式会社)
天井走行リフト:つるべーTEN C-450(株式会社モリトー)

天井走行リフト:パートナー・ポータブルパートナー(株式会社ミクニライフ&オート)

実際に導入を検討している場合は、まず専門家に相談することをおすすめします。
専門知識をもった担当者が住環境に合わせた最適なプランをご提案いたしますので、気になる方は以下のバナーからお気軽にお問い合わせください。

