階段をリフォームする際、普段建築などに親しみのない方は、聞きなれない用語がたくさんでてくるかと思います。
「かね折れ階段」「蹴上」「踏面」「段鼻」など、いまさら聞けない階段に関する用語を中心に解説してきます。
階段寸法を測るときは特に使用頻度の高い用語になります。読み方の難しいものもあるのでぜひチェックしてみてください。
よくある階段4種類
階段には形状別に大まかに分けて4種類あります。それぞれに特性があり、必要なスペースや安全性が変わっていきます。住宅や街中でよく見る階段を説明していきます。
直階段
おそらく、民家に最も多いのが直階段。その名の通りまっすぐな階段です。
幅を取らないため必要スペースが少なくて済む反面、ご高齢の方やお子様が点灯した際は遮るものがなく一直線に下階へ落ちてしまう可能性があるので注意が必要です。
可能であれば、家の設計前やリフォームの際に踊り場を設けるなどの工夫があると、安全性は一気に上がります。
折り返し階段
マンションの上下階をつなぐ階段などによくみられる折り返し階段。階段の半ばに踊り場が設置されています。
同じ高さであれば、直階段よりステップ数が多くなるため勾配がなだらかになります。そのため、ご高齢の方やお子様も昇り降りしやすくなります。
一方で、直階段よりスペースが必要な分、ある程度の広さがある家でないと難しい面もあります。
かね折れ階段
階段の途中でL字型に折れている階段をかね折れ階段と呼びます。
折れた部分に踊り場を設けているデザインが多く、そのスペースにちょっとした観葉植物や本棚を置いて楽しむ方もいらっしゃいます。
階段から落ちた際、L字部分で止まれるため、直階段よりも安全性は高くなっています。
その他、螺旋階段など
ステップが螺旋状に配置されている螺旋階段。女性なら一度は憧れたことがあるのではないでしょうか。スタイリッシュなデザインが多く、インテリアと一体化して見えることが魅力です。デザインにもよりますが、直階段よりも省スペースで設置することも可能ですが、形状が複雑なため施工費用が高くなりがちです。
階段の寸法に関わる用語
段鼻(だんばな)…階段の踏み板(段板)の先端箇所。この場所に滑り止めやカバーを付けることがあります。
踏面(ふみづら)…踏み板(段板)の奥行から蹴込みの奥行を引いた箇所。足の乗る踏み板(段板)の面を指します。
蹴上(けあげ)…階段一段分の高さ。蹴上は低いと足を上げる難易度が下がりますが、段数が多くなります。そのため、誰が使うかも含めて高さを検討してください。
蹴込み(けこみ)…階段の立ち上げの引っ込んだ箇所。板があるデザインとないデザインがあります。
踏み板/段板(ふみいた/だんいた)…階段の足を置く板の名前。木材を用いた階段は転倒防止のために滑り止めを付けておくと安心です。
蹴込み板(けこみいた)…踏み板(段板)の引っ込んだ箇所にはまっている板の名前。踏み板と踏み板を縦に支える役目をしています。
階段の安全性を上げるために
階段は大がかりなリフォームをしなくてもちょっとした工夫でより安全にお使いいただくことができます。DIYや小規模の工事でできる方法を中心に説明します。
滑り止めを付ける
階段の踏み板(段板)に滑り止めマットなどを付けることで、階段から足を滑らせて落ちる事故の抑制になります。
滑り止めマットネットショップやニトリなどでも売っているため、比較的手軽に対策ができます。
フットライトをつける
階段にフットライトをつけておくことで、足元が明るく、視認性がよくなります。
日中のみならず、夜中に階段が見えず転落する事故も、抑制することができます。
いす式階段昇降機を設置する
いす式階段昇降機はいすに乗って階段を昇り降りする機械です。
ホームエレベーターほどの大規模な工事は必要なく、設置工事は半日~一日で済みます。
最近はスタイリッシュなデザインも増えてきているため、家庭においても違和感なく溶け込みます。ご高齢の方や、階段を昇り降りすることが困難になってきた方におすすめしています。
階段昇降機について興味のある方は下のリンクも合わせてご確認ください。