今回はいす式階段昇降機の選び方「3つのポイントと身体状況別おすすめ機種」です。
ひとくちに状態、といってもご利用者様によって条件は様々。身体状況や介助者の有無、設置環境などそれぞれの切り口からご説明します。
いす式階段昇降機の製品一覧は下記リンクをご確認ください。
Contents
①身体状況から選ぶ
最初に考える必要があるのはご利用者様の身体状況にあっているかどうかです。いす式階段昇降機が必要なケースは大まかに以下のケースに当てはまります。
2.下半身が動かない
3.高齢による体の衰え
「福祉用具専門相談員」とは
ご利用者様の病状や障がいの度合いを適切に見極め、福祉用具を相談・選定使い方の指導などをする仕事です。心身状態は変化していくため定期的に訪問して利用状況などを確認し、援助します。
Case1. 左半身または右半身が動かない、動かしづらい
自由が利く方向から乗り降りできるか
例えば右半身が動かない場合、階段の右面に設置してしまうと乗り降りが不便になります。思わぬ事故の原因にもなるので必ず設置前に確認してください。
操作スイッチの位置を考慮する
動かしやすい位置に操作スイッチが設置されているか、スイッチが押しやすいかを確認してください。また、スイッチが操作しづらいかたは下の「Case2. 手が力が入りづらい、操作スイッチを押しづらい」を合わせてご確認ください。
Case2. 手が力が入りづらい、操作スイッチを押しづらい
いす式階段昇降機操作スイッチは標準装備が押しボタン式のものが多いです。しかし、手に力が入りづらい方は、レバーを倒すことで操作がするほうが使いやすい場合があります。
操作レバーに対応している機種一覧
Case3. 車いすに乗って生活している
乗り降りするスペースが十分にとれるか確認する
車いすからいす式階段昇降機に乗り降りする際、
・車いす
・いす式階段昇降機
・ご利用者様
・介助者
のスペースが必要になります。この空間が十分にとれるか入念に確認が必要です。
車いすからの移乗が難しい場合、車いす用階段昇降機もあります。
車いすの座高と近いものを選ぶ
車いすからスムーズに乗り降りするために、できるだけ座高が近いものを選ぶと乗り降りしやすくなります。
車いす(手動)平均 | 約42~44cm |
車いす(電動)平均 | 約45~50cm |
昇助くん(SEC9,SEC9K,SEC9SH,SEO9):スギヤス製 | 約43~45cm |
昇助くん(NRE9,NRO9):スギヤス製 | 約58cm |
モジュールエアー:スギヤス製 | 約58cm |
タスカル(Allura):シンテックス製 | 約49cm |
タスカル(STⅢ,OSTⅡ):シンテックス製 | 約50cm |
楽ちん号(エスコートスリム) | 約45cm |
楽ちん号(KS-B) | 約48cm |
楽ちん号(KF-6,KF-B) | 約53cm |
※レールの設置状況により多少高さが前後します。
Case4. 安定して座ることに不安がある
頭、首が安定しない
身体が前後左右に揺れる
ひじ掛けとベルトは標準装備
標準でどの機種もベルトとひじ掛けが装備されており、身体が固定できるようになっています。ベルトの着脱も簡単にできるように設計されています。
胸部ベルトがついているものを選ぶ
標準に搭載されているベルトでも不安な場合、オプションで胸部ベルトをつけることをおすすめします。上半身がしっかり固定されるため前後に揺れてしまうケースでも安心です。
対応する機種(オプション)
・楽ちん号(屋内曲線用:KF-W)
それでも不安がある方は、ぜひ一度試乗をしてみてください!実際に乗ってみることで不安も解消できるかと思います。試乗できる場所一覧はこちら
足元がずれる
足置台の大きなものを選ぶ
足置台の平均的な大きさは約32cm×約30cm前後です。
タスカル(屋外直線用:OSTⅢ)が全体と比べて大きめの35cm×32.5cm。
昇助くん(屋内直線用:SEC9、SEC9K、SEC9SH、屋外直線用:SEO9)は奥行が約26cmと少し短いですがオプションで約4cm伸ばすことが可能です。
足置台にベルトがついているものを選ぶ
介助者がいるならば、足ベルトも検討してみてください。どの機種も障害物センサーは搭載されており、足が落ちても階段に挟まらないよう設計はされていますが、ベルトをすることで安心度もぐんと上がります。
対応する機種(オプション)
・昇助くん(屋内直線用:SEC9、SEC9K、SEC9SH、屋外直線用:SEO9、屋内曲線用:NRE9、屋外直線用:NRO9)
・タスカル(屋内直線用:STⅢ)
②介助者の有無から選ぶ
Case1. 介助者と一緒に階段を昇り降りしたい
いす式階段昇降機は、
①上下階に設置される呼び送りスイッチ
②いす本体に取り付けられた操作スイッチ
で操作をします。
そのため、介助者は上下階で操作をすることになります。介助者が横について一緒に昇り降りをしたい場合はコードが伸ばせるタイプのスイッチが便利です。
対応する機種(オプション)
・昇助くん(屋内直線用:SEC9、SEC9K、SEC9SH)
・タスカル(屋内直線用:STⅢ、屋外直線用:OSTⅢ、屋内外曲線:Allura)
Case2. 介助者がいない、1人で操作することがある
いすの座面やひじ掛け、足置台は基本的に手動で上げ下げします。そのため、足置台を下す際かがむ姿勢になります。この動作がつらい場合の対応として、①足置台にレバーのついている機種、②ひじ掛けと足置台が連動している機種を検討してみてください。
昇助くん(屋内直線用:SEC9、SEC9K、SEC9SH)はオプションで足置台にレバーをつけることができます。
楽ちん号(屋内直線用:エスコートスリム)はひじ掛けと足置台連動して動くため、かがむ動きがなくお使いいただけます。
②設置環境から選ぶ
Case1. 階段形状別で選ぶ
最初に階段の形状でどの機種が設置できるか確認してください。丸太を1本階段の上から下まで通せる階段であれば、直線型のいす式階段昇降機が設置できます。それ以外は全て曲線型になります。
Case2. 乗り降りスペースが確保できない
曲線型のレールを乗り降りできるスペースまで伸ばす
車いすからの移乗や介助者がいる場合など、階段の入口付近にスペースが取れない場合乗り降りしやすい場所までレールを伸ばすことで対応することがあります。
安心してお使いいただくために、いす式階段昇降機を設置する前に実際に設置したときの動線がどうなるかを福祉用具専門相談や施工会社と相談をしてください。
階段入口付近を改修してスペースを作る
階段近くにスペースがない場合、改装してスペースを確保して設置することも視野に入れます。曲線型のいす式階段昇降機は直線型と比べて高額なため、曲線型をつけるより直線型+階段の改修をする方が金額面で安くなることがあります。
Case3. 階段の傾斜が緩い
Case4. 階段の上下階の見通しが悪い
Case5. 夜間の動作音が気になる
「夜間にトイレに行きたい」など、家族や同居されている方に配慮して静かなものを使いたい、動作音がうるさくないか心配される方もいらっしゃいます。いす式階段昇降機は音声案内をつけない限り、モーター音がする程度で静かに使えます。
不安な方はぜひ一度試乗をしてみてください。
いす式階段昇降機の製品一覧は下記リンクよりご覧ください。
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