「型式適合認定」。いす式階段昇降機のカタログを見たことのある方は一度は目にしたことがあるかと思います。
上の画像の黒い矢印の記載ですね。
しれっと書いてありますが特に「型式適合認定品とは何か」の説明がないため、なんだろうと思われる方もいらっしゃるかと思います。
この記事では「型式適合認定とは何か」と、「いす式階段昇降機に関わる型式適合認定の話」をしていきます。
参考:建築基準法施行令改正案(追加部分)の概要(国土交通省HP)
型式適合認定とは
型式適合認定とは、同一の型式で量産される建築設備や、材料、構造などについてあらかじめ「建築基準法に基づく関係法規に適合する」という認定をうける制度のことです。認定される範囲は、安全装置なども含みます。
建築確認検査の簡略化を目的とし、国土交通大臣が認定を行います。
認定を受けると、確認申請時に認定書の写しを添付すれば、構造計算書の添付が不要になり認定対象部分の審査が省略されます。ただし、認定を受けた型式に適合するかどうかの審査は行われます。
以下建築基準法より引用
第六十八条の十 国土交通大臣は、申請により、建築材料又は主要構造部、建築設備その他の建築物の部分で、政令で定めるものの型式が、前三章の規定又はこれに基づく命令の規定(第六十八条の二十五第一項の構造方法等の認定の内容を含む。)のうち当該建築材料又は建築物の部分の構造上の基準その他の技術的基準に関する政令で定める一連の規定に適合するものであることの認定(以下「型式適合認定」という。)を行うことができる。
出典:建築基準法|e-Gov法令検索
いす式階段昇降機と型式適合認定
いす式階段昇降機で型式適合認定品であるものを下の表にまとめてみました。
製品名 | 型式適合認定 | メーカー |
昇助くん(SEC9、SEC9K、SEC9SH) | 〇 | 株式会社スギヤス |
昇助くん(SEO9) | 〇 | 株式会社スギヤス |
昇助くん(NRE9) | 〇 | 株式会社スギヤス |
昇助くん(NRO9) | 〇 | 株式会社スギヤス |
モジュールエアー | 〇 | 株式会社スギヤス |
楽ちん号(エスコートスリム) | 〇 | 大同工業株式会社 |
楽ちん号(KS-C) | 〇 | 大同工業株式会社 |
楽ちん号(KF-W) | 〇 | 大同工業株式会社 |
楽ちん号(KF-B) | 〇 | 大同工業株式会社 |
タスカル(STⅢ) | 〇 | シンテックス株式会社 |
タスカル(OSTⅡ) | 〇 | シンテックス株式会社 |
タスカル(Allura) | 〇 | シンテックス株式会社 |
楽ちん号シリーズはカタログには記載がありませんが、メーカーに問い合わせをしたところ型式適合認定品であるそうです(2022.08.24時点)。
いす式階段昇降機の日本のメーカーは基本的に製品ごとに型式適合認定を取得しています。
現状、いす式階段昇降機をリフォームで取り付ける場合、多くの住宅が該当する木造2階建て以下の建物(4号建物)は、確認申請が必要ないためこの制度を利用するケースは少ないかと思います。ですが、木造3階建て以上の戸建て、福祉施設、気公共の施設に設置する際、確認申請時に提出書の一部省略可ができ、手続きがスムーズに行えるので、覚えておいて損はない制度です。
いす式階段昇降機を設置する際の確認申請については下記の記事で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。
いす式階段昇降機の機種一覧は下のリンクをご確認ください。