事故を防止するために。いす式階段昇降機の正しい乗り方

事故を防止するために。いす式階段昇降機の正しい乗り方 コラム

今回はいす式階段昇降機の正しい乗り方についてご説明します。正しい乗り方、使い方をすることは事故を抑制する意味でもとても重要です。いす式階段昇降機は人が乗る福祉機器ため、事故防止に対する対策を綿密に練った設計をしています。しかし、完全に事故を防止するのは難しいことです。

今回は改めて正しい使い方を紹介します。すでに知っている方も多いかとは思いますが皆様の安全のためお付き合いいただけますと幸いです。

 

☆こんな悩みの人にオススメ☆ 

・いす式階段昇降機の正しい使い方を知りたい。

・どうすれば安全に使うことができるのか?

・エラーが出てしまったらどうしよう?

  1. ご使用方法
    1. 1.ご利用の前に
    2. 2.運転準備
        1. 1.電源プラグをコンセントに差し込んでください。
        2. 2.電源スイッチが押されていないか確認してください。
        3. 3.キーを差し込んでください。
    3. 3.本体への乗り込み
        1. 1.本体が折りたたまれている場合は、座板およびフットレスト・左右のひじ掛けを静かに降ろしてください。
        2. 2.座板が定位置にしっかりと固定されていて回転しないか確認してください。
        3. 3.上階側での乗り込みは必要に応じて、いす回転レバーを操作して座席を回転させてください。その際、座席がしっかり回転位置で固定されていることを確認してから乗り込んでください。
        4. 4.座席に静かに腰掛け、シートベルトを調整し、確実に締めてください。
        5. 5.いすを回転させて乗り込んだ場合は、回転する前の位置にいすを戻し、いすが定位置にしっかり固定されているか確認してください。
        6. 6.足はフットレストの上に、腕はひじ掛けの上に乗せてください。
    4. 4.昇降機の運転
        1. 1.本地操作スイッチおよび呼び戻しスイッチに電源が入っていることを確認してください。
        2. 2.行きたい方向の昇降スイッチを押してください。希望の方向へ本体を昇降させることができます。話せば停止します。
    5. 5.退出
        1. 1.希望の階に到着したら退出側のひじ掛けを持ち上げてください。
        2. 2.上階側で降りる場合は必要に応じて、いす回転レバーを引き上げていすを回転させてください。
        3. 3.シートベルトを外してください。
        4. 4.ひじ掛けをしっかりつかんで退出してください。
        5. 5.いすを回転する前の位置に戻してください。
        6. 6.階段部通行の邪魔になる場合は、ひじ掛け、座席、フットレストを折りたたんでください。
        7. 7.ご使用にならないときはキーを抜いてください。
  2. 事故を防ぐチェックリスト
        1. 【事故防止 安全チェックリスト】

ご使用方法

1.ご利用の前に

チェックリスト画像

いす式階段昇降機は、高齢の方、身体に障害をお持ちの方などが座って乗って安全で楽に階段を昇り降りするためのものです。お手元に取扱説明書等あれば、そちらの確認もお願いいたします。

■使用上の注意
・本体に水をかけたり、濡れた手で操作しないでください。漏電、感電する恐れがあります。
・ローラー部分に絶対に手足や異物などをいれないでください。
・定格能力を守ってご利用ください。
・レール周辺に人や物などがないことを確認してから運転してください。
・緊急時を除き、上・下階以外で乗り降りをしないでください。
・本体を使用しないとは鍵をかけてください。
・本体を使用しないときはシートベルトを座面上に収納してください。
・走行時衣類などが座面より下に垂れないよう注意してください。本体稼働部に巻き込まれる可能性があります。
・ひじ掛け・足乗せ台・座席の折りたたみは丁寧に行ってください。故障につながります。
・ひじ掛け・足乗せ台・座席の折りたたみ及び回転するときは、手・足・衣類が触れないように注意してください。
・異常が認められた時は、直ちに使用をやめ、お買い上げいただいた販売店に点検・修理を依頼してください。
・十分な機能を維持するため、取扱説明書に従って、定期的な保守点検をしてください。

2.運転準備

1.電源プラグをコンセントに差し込んでください。

電源は延長コードの使用・たこ足配線はせず、単独でコンセントを使用してください。電源プラグはコードを下向きにし、歯の根元まで差し込んでください。

「漏電表示ランプ」が消えていることを確認してください。転倒している場合はコンセントに差し込んだ状態でリセットボタンを押してください。リセットボタンを押しても再度ランプがつく場合は、販売店に連絡してください。

2.電源スイッチが押されていないか確認してください。

電源スイッチ本体

電源スイッチ(呼び戻し)

電源スイッチは本体に1か所、上下階の呼び戻しスイッチに各1か所の計3か所あります。

3.キーを差し込んでください。

機体によって鍵の位置は変わります。図は昇助くんSEC9のものです。

3.本体への乗り込み

1.本体が折りたたまれている場合は、座板およびフットレスト・左右のひじ掛けを静かに降ろしてください。

上階停止

図はSEC9SHの画像です。昇助くんシリーズはそれぞれ手動ですが、機体によって連動型、電動型があります。詳しくはお手持ちの取扱説明書をご覧ください。

 

 

2.座板が定位置にしっかりと固定されていて回転しないか確認してください。

いす回転

いすはいす回転レバーの使用でロックが外れ、0度、55度、90度の位置で再びロックがかかります。

機体によってロックがかかる角度は違いますが、いすの角度によってロックがかかることはどの機体でも同様の共通の使用です。

3.上階側での乗り込みは必要に応じて、いす回転レバーを操作して座席を回転させてください。その際、座席がしっかり回転位置で固定されていることを確認してから乗り込んでください。

いす回転

※いす回転レバーは一度操作ロックを外し、回転を始めたら手を放してください。操作すればロックが外れ、55度および90度旋回した位置で再度自動的にロックしますので操作し続けないでください。

いす回転レバーに力を加えますと破損につながる恐れがあります。

4.座席に静かに腰掛け、シートベルトを調整し、確実に締めてください。

シートベルト

シートベルトはたるみやねじれがないように確実に締めてください。

シートベルトのあまり部分は、ベルト通しに通してください。

いす回転レバーに負荷をかけないようにしてください。

シートベルト未着用での事故
過去、起きた事故の中にはシートベルト未着用による事故があります。①認知症の搭乗者が階段下降中に手すりをつかんでしまい、操作者がその手を振りほどこうとした際、昇降機を前に押し立てすぎて、シートベルトをしていなかった搭乗者が前方に投げ出され落下した。
②階段上昇し2階へ到着した時に操舵バランスを崩し、昇降機を前方へ立ててしまった際に、シートベルトをしていなかった搭乗者が座面よりずり落ち落下した。(参考:可搬型の階段昇降機で初の死亡事故)いずれも死亡事故になっているため、シートベルトの着用をお願いします。メーカーにより、シートベルトが締まっていない場合は作動が止まる機体もあります。不安な方はそちらの利用の検討もお願いいたします。
5.いすを回転させて乗り込んだ場合は、回転する前の位置にいすを戻し、いすが定位置にしっかり固定されているか確認してください。

いす回転

※いす回転レバーは一度操作ロックを外し、回転を始めたら手を放してください。操作すればロックが外れ、55度および90度旋回した位置で再度自動的にロックしますので操作し続けないでください。

いす回転レバーに力を加えますと破損につながる恐れがあります。

6.足はフットレストの上に、腕はひじ掛けの上に乗せてください。

手にお荷物、杖などをお持ちのまま乗り込まないでください。本体よりお荷物などがはみ出しておりますと、昇降スペースが保たれなくなり、人身事故や、建物・昇降機本体が破損する可能性があります。

4.昇降機の運転

1.本地操作スイッチおよび呼び戻しスイッチに電源が入っていることを確認してください。

屋外用ボックス

屋外仕様の場合は、防雨ボックスに呼び戻しスイッチが収納されています。ふたを開けて操作してください。

 

2.行きたい方向の昇降スイッチを押してください。希望の方向へ本体を昇降させることができます。話せば停止します。

※レール周辺に人や物等がないことを確認してから運転してください。

呼び戻しスイッチ

昇降スイッチは押している間だけ動き、離せば止まります。

昇降スイッチから指を放しても停止しない場合、電源スイッチを押してください。

・速度制御を行っておりますので始動時にはスロースタートし、上下限ではスローストップし、その他の場所では、瞬時に停止します。
・呼び戻しスイッチには「上がる」「下がる」の表示があります。
・呼び戻しスイッチはひじ掛け・フットレスト・座席が折りたたまれていても上階・下階に本機を呼び戻すことができます。

5.退出

1.希望の階に到着したら退出側のひじ掛けを持ち上げてください。

エスコートスリム足乗せ台

ひじ掛けを上げることで車いすに乗り降りする際スライドボードが使用しやすくなります。

2.上階側で降りる場合は必要に応じて、いす回転レバーを引き上げていすを回転させてください。

いす回転

その際いすがしっかり回転された位置で固定されていることを確認してください。

※いす回転レバーは一度操作ロックを外し、回転を始めたら手を放してください。操作すればロックが外れ、55度および90度旋回した位置で再度自動的にロックしますので操作し続けないでください。

3.シートベルトを外してください。
4.ひじ掛けをしっかりつかんで退出してください。
5.いすを回転する前の位置に戻してください。

いす回転

その際いすがしっかり回転された位置で固定されていることを確認してください。

※いす回転レバーは一度操作ロックを外し、回転を始めたら手を放してください。操作すればロックが外れ、55度および90度旋回した位置で再度自動的にロックしますので操作し続けないでください。

6.階段部通行の邪魔になる場合は、ひじ掛け、座席、フットレストを折りたたんでください。

エスコートスリムスリム設計

災害時等に避難をする際に邪魔にならない位置で折りたたんでください。

7.ご使用にならないときはキーを抜いてください。

キースイッチ

気温が約5度を下回るときや長時間使用しない場合は、給電ケーブルなど電装品保護のため、本体を最上階に止めておいてください。

呼び戻しスイッチ用ボックスおよび中継ボックスのふたが締まっているか確認してください。

 

事故を防ぐチェックリスト

事故原因になりうるものから、チェックリストを簡単に作成しましたので、使用する際は必ず確認してから使いましょう。

 

【事故防止 安全チェックリスト】
□衣類が機械に引っかからないか一方向以外からも確認
□階段昇降機が通る場所に荷物が置いてないか
□階段昇降機の音、取り付け部分に異常がないか
□シートベルトを着用したか確認
□階段昇降機に座る人が勝手に外さないように伝える+見ながら動かす

以上5つを確認して使うだけでも、多くの事故を未然に防ぐことができます。

定期点検なども含めて、しっかり行いましょう。

 

定期検査について詳しく知りたい方は下記を併せてご確認ください。

 

故障かな?と思った方はこちらをご確認ください。

 

ここで紹介した、いす式階段昇降機の詳細はこちら

いす式階段昇降機の機種一覧は下のリンクを併せてご確認ください。