【車いす利用想定】バリアフリーリフォームのすすめ【浴室・洗面室】

【車いす利用想定】バリアフリーリフォームのすすめ【浴室・洗面室】 コラム

バリアフリーリフォームは介助を受ける方も、介助をする方も居心地の良く住みやすい家にすることが目標となります。

身体状況はご利用者様によって様々ですが、例えば「車いすを利用している方」の住まいのバリアフリーリフォームはどんなポイントがあるのでしょうか。

バリアフリーリフォームでは、視線の位置、手の届く高さ、車いすの幅や転回のスペース、膝や足が当たらないスペースづくり、段差の解消などを隅々までチェックします。

特に「玄関」「トイレ」「洗面所・浴室」に手を入れると暮らしやすくなります。いずれも、複雑な行動や動作が伴い、日常生活で欠かせない場所です。

今回はその中の「洗面所・浴室」のバリアフリー化をするときのポイントをご紹介します。

 

高齢者向けのバリアフリーリフォームについては下記のリンクをご覧ください。

車いす利用の方で他の場所のバリアフリーリフォームが気になる方は下記リンクをご覧ください。


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バリアフリーリフォームとは家の中を住みやすくする、というでだけではありません。私共は、家の中の障害や不便をなくす事で、よりエネルギッシュに世界と繋がって生活ができることを目標にしております。

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  1. 「浴室」のバリアフリーリフォーム
    1. 「浴室」内の使用者・介助者の動作を確認する
        1. 身体状況によって設備や位置が変わる(例:片麻痺がある場合の浴室の配慮)
    2. 浴室のドアを引き戸にする
    3. 浴室の出入口の段差を無くす
    4. 浴室内のスペースを確保する
    5. 浴槽をチェックする
      1. 浴槽の寸法、形状
      2. 浴槽の便利な機能を活用する
      3. 浴槽を使わないという選択肢
        1. シャワーキャリーを使って入浴する-シャワーユニットの施工事例
      4. 介護浴槽やリフト浴などは個人宅より福祉施設向け
    6. 浴室内の洗い場の設備を整える
      1. 水栓
      2. シャワー
      3. 収納
      4. 洗面器置台
    7. 浴室は滑りにくい床材を使用する
    8. 浴室内の動作を補助する道具(手すり・福祉機器)を活用する
      1. 手すり
      2. バスボード・入浴台・移乗台
      3. 入浴用いす(シャワーチェア)
      4. 入浴用車いす(シャワーキャリー)
      5. 浴槽内いす
      6. バスリフト
    9. 温度差を少なく暖かい浴室
  2. 「洗面室・脱衣室」のバリアフリーリフォーム
    1. 「洗面室・脱衣室」内の使用者・介助者の動作を確認する
    2. 洗面室・脱衣室のスペースを確保する
      1. 家全体を考えて、スペースの確保をどうするか-限られた空間と向き合う
        1. 水回りをまとめて一室にしてスペースを確保した施工事例
      2. 洗面室が脱衣室を兼ねる場合は、脱衣動作を想定したスペースも作る
    3. 洗面室のドアは引き戸が使いやすい
    4. 洗面室の出入り口の段差の解消や、滑りにくく、掃除がしやすい床
    5. 洗面室の出入り口の位置を確認する
    6. 車いす用洗面台を設置する
      1. 手洗い器の高さや足元のスペース
      2. カウンターやボウル形状を確認する
      3. 操作しやすい水栓を選ぶ
      4. 鏡の高さを調節する
      5. タオル掛けの位置を調節する
      6. 収納の位置を確認する
      7. 照明やコンセントの位置を確認する
    7. 洗面室内の動作を補助するツールを活用する
      1. 手すり
      2. 介助しやすい天井走行リフト
        1. 天井走行リフトの施工事例-女性の力で車いす移乗の介助をする

「浴室」のバリアフリーリフォーム

毎日利用する「お風呂」は、身体の汚れを落とすだけではなく、気持ちをリフレッシュし、活力を高める重要な空間です。

しかし浴室は構造上、洗い場と浴槽に高低差ができてしまうため、この高低差が利用者の身体状況によっては入浴を困難にしてしまいます。

狭い空間であること、水・石鹸で濡れて滑りやすいこと、複雑な動作を伴うこと、他の部屋と比べて気温差があることなど、潜在的な危険が多くあり、自宅の中で起こる事故の3割を占めているとも言われています。

この危険に対する不安を解消し、快適で心地よい浴室にしたいと考えている方向けにチェックしたいポイントを紹介します。

浴室は、全ての問題点をリフォームで解決しようとすると費用が高額になってしまうことも。

自宅のバリアフリーを考える前に、現在の身体能力だけではなく、今後起こりうる状況も想定しておきましょう。

入浴介助が必要な場合、デイサービスなどの福祉施設の「通所入浴介護」を受けるのか、自宅の浴室で入浴を介助してもらう「訪問入浴介護」を受けるのか、考えておきたいところです。

通所介護を受ける可能性がある場合は、自宅の浴室にリフトや介護浴槽など大掛かりな設備を導入する必要はありません。その場合は将来を見越したリフォームより、現在の浴室の危険を排除し、事故を予防するバリアフリーリフォームが適しています。

「浴室」内の使用者・介助者の動作を確認する

〔自立〕車いす使用者の浴室の行動フロー


〔自立〕車いす使用者の浴室の行動フロー

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

〔要介護〕車いす使用者の浴室の行動フロー


〔要介護〕車いす使用者の浴室の行動フロー

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

上の画像は浴室内での利用者の行動フローです。身体状況にあわせて、シャワーチェアや移乗台、自走用・介助用のシャワーキャリーを使用して入浴するため、利用者によって浴室内の行動が異なります。
それぞれの身体状況や生活習慣によって必要なリフォームが変わります。
バリアフリーリフォームをする前に、必ず普段自宅浴室で、どの位置・順番でどんな動作をしているかを確認しましょう。今困っている場所以外に、手をついている場所や物を一時的に置いている場所などを確認しておくと、リフォームをする箇所を考える際の重要なヒントになります。
身体状況によって設備や位置が変わる(例:片麻痺がある場合の浴室の配慮)

介助なしで浴槽・浴室を使用する場合


例:片麻痺がある場合(介助者なし)

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

麻痺がない側に手すりを設置します。

浴槽の出入りは、麻痺がない側から座りまたぎで浴槽に入ります。浴槽から出る時は、浴槽横の手すりを利用し、麻痺のある側から座りまたぎで出ます。

浴槽内の立ち座りは、縦手すりを掴んで身体を引き上げて、立ち上がります。

介助ありで浴槽・浴室を使用する場合


例:片麻痺がある場合(介助者あり)

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋z

麻痺がある側に介助スペースを確保します。

介助者が麻痺がある側に立ち、支えながら座りまたぎで浴槽を出入りします。

浴槽内の立ち座りは、介助者が麻痺がある側に立って支えながら、縦手すりを掴んで立ち座りをします。

浴槽内での立ち座りが難しい場合は、バスリフトを検討します。


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浴室のドアを引き戸にする

浴室のドアの種類

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

浴室のドアは、車いすの位置を移動せずにドアが開閉でき、有効開口寸法が確保できる引き戸を設置します。折れ戸や開き戸を選択する場合は、洗い場に置くシャワーチェアや移乗台と接触しないようにします。

介助が必要な場合は、スペースを確保します。

浴室出入り口の位置

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

浴室の出入り、洗体、浴槽の出入りの一連動作が安定した姿勢と動線で行えるように、出入り口の位置を配慮します。シャワキャリーや車いすで出入りする場合は、有効開口800mm以上を確保します。

浴室の出入口の段差を無くす

出入り口の段差をなくす

(https://sumai.panasonic.jp/catalog/bathroom.html)画像はpanasonicアクアハートより引用

わずかな段差でも、利用者がシャワーキャリーや車いすに乗った状態で移動すると、引っかかり転倒してしまうの可能性があるため、出入り口の段差を無くします。

浴室排水のイメージ

床をフラットにする分、脱衣室側に水が溢れてびしょびしょになってしまわないように、排水に気を遣う必要があります。

床に勾配をつけて排水口に流れやすくする、出入り口に排水口を設けるなどの工夫が必要です。

浴室内のスペースを確保する

浴室スペースの確保

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

洗い場で車いすから移乗してシャワーチェアや移動台を使用する場合、移乗後に車椅子を浴室の外に出し、ドアを閉められるように1坪程度とします。

洗い場は車いすからの移乗や洗体動作、浴室出入りのためのスペースを確保するため、幅800mm以上、奥行き1200mm以上確保します。

浴室スペース シャワーキャリー使用の場合

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

シャワーキャリーを使用する場合、洗い場で車いすが方向転換できるよう1.25坪程度スペースを確保します。

洗い場は、洗体介助や、シャワーキャリー上での洗体動作や、浴槽正面にシャワーキャリーをつけて浴槽を出入りできるように、幅900mm以上、奥行き1400mm以上確保します。

シャワーキャリーや車いすで出入りできるように、出入り口の有効開口は800mm以上確保します。

【参考】車いすを使用する場合の通路幅の目安(国土交通省 基本寸法より抜粋)


寸法 意味
80cm 車いすで通過できる寸法
90cm 車いすで通過しやすい寸法
通路を車いすで通行できる寸法
120cm 通路を車椅子で通行しやすい寸法
人が横向きになれば車椅子使用者とすれ違える寸法
杖使用者が円滑に通過できる寸法
140cm 車椅子使用者が転回(180度方向転換)できる寸法
杖使用者が円滑に上下できる階段幅の寸法
150cm 車椅子使用者が回転できる寸法
人と車椅子使用者がすれ違える寸法
180cm 車椅子使用者が回転しやすい寸法
車椅子使用者同士がすれ違える寸法

 

車いすを使用する際の通路幅目安 90cm:車椅子で通過しやすい寸法 通路を車椅子で通行できる寸法 120cm:通路を車椅子で通行しやすい寸法 人が横向きになれば車椅子使用者とすれ違える寸法 杖使用者が円滑に通過できる寸法 車いすを使用する際の通路幅目安 150cm:人と車椅子使用者がすれ違える寸法 180cm:車椅子使用者が回転しやすい寸法 車椅子使用者同士がすれ違える寸法 車いすを使用する際の通路幅目安 140cm:車椅子使用者が転回(180度方向転換)できる寸法 杖使用者が円滑に上下できる階段幅の寸法 150cm:車椅子使用者が回転できる寸法


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バリアフリーリフォームとは家の中を住みやすくする、というでだけではありません。私共は、家の中の障害や不便をなくす事で、よりエネルギッシュに世界と繋がって生活ができることを目標にしております。

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浴槽をチェックする

浴槽のまたぎ動作は、入浴を困難にする大きな原因の一つです。また、浴槽内で体が滑り込むなどの危険もあるため、浴槽の大きさには、ある程度目安があります。

また浴槽は、湯が冷めにくいように配慮されたものや、浴槽内に手すりがあるもの、浴槽の縁に手がかけやすいように工夫されているもの、清潔を保ちやすいものなど、メーカーによって様々な工夫がされています。必要に応じて、機能を選ぶと良いでしょう。

浴槽の寸法、形状

洗い場と浴槽の段差の高さとまたぐときの負担

バリアフリーリフォームのマニュアル2021(https://saas.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjoiMjYzOSJ9&detailFlg=0&pNo=1) マツ六株式会社より引用

浴槽のまたぎ動作は、入浴を困難にする大きな原因の一つです。洗い場の床と浴槽の底の差があると、またぐときに浴槽をつんのめって危険になります。

浴槽の寸法や形状

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

立位や腰掛けてのまたぎ動作に配慮して、浴槽のまたぎ高さは400〜450mm(洗い場の床と浴槽の底の高さをほぼ同じにする)程度、浴槽の深さは500〜550mm程度とします。

身体が倒れ込まないように浴槽内の横内寸は600mm程度として、身体の滑り込み防止にステップ付きの浴槽を選定するといいでしょう。浴槽内で身体の向きを変えるのが難しい場合は、湯に浸かるときに足側にステップが来るようにします。

浴槽壁面は垂直に近い方が、骨盤が起きて座位が安定しやすくなります。足が壁面に届く(浴槽内ステップでも可)物を選ぶことで、前滑りする危険を軽減します。

浴槽の便利な機能を活用する

浴槽リム・ハンドグリップ

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

掴みやすい浴槽フチ

(https://sumai.panasonic.jp/bathroom/aqua_heart/a-u/feature.html)panasonic a-Uシリーズ 商品特長より抜粋

安定した姿勢で入浴できるように浴槽リム(縁)は掴みやすい形状に配慮し、ハンドグリップも設置します。洗い場側にハンドグリップを設置する場合、浴槽の出入りに邪魔にならないよう注意します。

プッシュアップで浴槽を出入りする場合は、手がつけるリム(縁)の幅に注意します。(握るより押すことで、入出浴が安定します)

浴槽 排水ボタン位置

(https://sumai.panasonic.jp/bathroom/aaqua_heart/a-u/feature.html)panasonic a-Uシリーズ 商品特長より抜粋

浴槽 排水ボタン 位置

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

Wスピード排水(panasonic アクアハート)

(https://sumai.panasonic.jp/bathroom/aqua_heart/a-u/feature.html)panasonic a-Uシリーズ 商品特長より抜粋

浴槽の排水関係も浴室の利用状況によってはチェックしておくと便利になります。

介護向けの浴槽は、排水栓の位置を工夫してあるものがあります。自力で浴室の掃除をする方向けに、排水栓が手の届きやすいも場所にあるもの、逆に介助する人がいる場合向けに手の届きにくい浴槽の側面にあるものなどです。

また、福祉施設向けにお湯の入れ替え時間を短縮する(給排水にこだわった)浴槽も出ています。

介助者の有無や利用状況を鑑みて必要な機能を選択してください。

TOTOのお掃除浴槽

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

panasonicささっと排水口

(https://sumai.panasonic.jp/bathroom/aaqua_heart/a-u/feature.html)panasonic a-Uシリーズ 商品特長より抜粋

浴室を清潔に保てるよう、汚れの落ちやすい浴槽を選びます。身体状況や介助者の有無などを考慮して、浴槽内の掃除頻度を少なくしたい場合は、浴槽を自動で洗浄する機能を検討してもいいでしょう。

専用アプリなどで掃除や暖房、お湯張りなど遠隔操作できるものもあります。家事のしやすさをあらかじめ配慮しておくと、生活しやすくなります。

浴槽を使わないという選択肢

浴槽への出入りが難しい、あるいは介助者の負担が大きい場合、思い切って浴槽なしのシャワーユニットを選ぶ方法があります。

浴槽がなくなることで、シャワーキャリーで洗体と洗体介助をするための浴室のスペースを広くとることができます。

シャワーキャリーを使って入浴する-シャワーユニットの施工事例

シャワーユニット内部の様子

シャワーユニット内部の様子

入浴用車いす カワムラサイクル

入浴用車いす カワムラサイクル

こちらは、ご主人を奥様が介助するために浴室をバリアフリーリフォームした施工事例です。

画像は入浴用車いすと、それを利用するために広めのスペースをとったシャワーユニットです。女性の力でも介助できるよう相談を重ね、車いす⇔入浴用車いすの移乗や脱衣を助ける天井走行リフトも設置しています。

介護浴槽やリフト浴などは個人宅より福祉施設向け

特殊浴槽 ルーミィ 株式会社アマノ<https://www.amano-grp.co.jp/products/zai-nyuyoku/roomy/>

ちょっと無理してでも自宅で介護浴槽を利用して入浴したい、と考える方もいらっしゃるかと思います。

現状、介護浴槽などは福祉施設や病院での利用を前提としており、導入やメンテナンスにかかる費用や、浴槽の大きさや重さの関係で個人宅への導入が難しいとされています。

介護浴槽やリフト浴など、機械を導入して自宅で快適な入浴がしたい!と考える場合は、まずはケアマネージャーや施工会社と相談しましょう。本当に必要かどうか、メンテナンスを含め維持は可能か、他に方法はないか、設置は可能なのか、など現地や身体・生活状況を確認してプランを考える必要があります。


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浴室内の洗い場の設備を整える

利用者や介助者の動作を確認して、洗い場も設備を整えます。利用者や介助者が(楽な姿勢で)手が届くか、行動の邪魔になる位置に設備を設置していないかなどを検討します。

具体的にチェックしたいのは以下の通りです。

  • 水栓の操作のしやすさ
  • シャワーヘッドの使いやすさ
  • 手の届く位置に十分な収納があること
  • 洗面器置台の高さ

それぞれを詳細に説明していきます。

水栓

操作しやすい浴室水栓

湯温や吐水量が調節しやすく、安全なサーモスタット混合水栓を設置します。

身体状況にあわせて、指や手の甲でも操作できるアーチハンドルや、押すだけで出し止めを操作できるタッチスイッチタイプなども検討します。

シャワー

手元のボタンで操作できるシャワーヘッド

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

手元で出し止めできるスイッチがあるシャワーヘッドを選ぶと便利です。

洗体介助をする場合も、手元で出し止めできるスイッチがあると、スムーズに介助しやすくなります。

また、節水機能や使い心地を変えるモード機能などメーカーによって各種特徴があるため、機能を比べて必要なものを選びます。

収納

手の届きやすい場所に収納棚を設置する

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

カウンターや棚を設置して、立っても座っても手の届きやすい位置にシャンプーなどを置いて使用しやすいように配慮します。介助者がいる場合は、利用者と介助者双方に届きやすい位置を検討しておきます。

洗面器置台

洗面器置台は座面の高さを考慮する

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

楽な姿勢で洗面器を使用できるように、洗面器置台を設置します。洗面器置台は、座面高さから「-50〜+100mm程度」になるように設置します。

洗体介助の場合、利用者だけでなく介助者が洗面器に手が届きやすいように配慮します。

浴室は滑りにくい床材を使用する

浴室 滑りにくい床材

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

浴室 滑りにくい床材2

(https://sumai.panasonic.jp/bathroom/aaqua_heart/a-u/feature.html)panasonic a-Uシリーズ 商品特長より抜粋

浴室内は水や石鹸、入浴剤などの影響で滑りやすい場所です。転倒の事故を防ぐために、浴室の床は滑りにくい床材を使用します。

バリアフリーリフォーム向けの浴室の床材は、柔らかく足にフィットし、滑りにくく、冬場でもヒヤッとしないよう断熱構造の床材になっており、不快感なく入浴できるようになっています。

また、清潔を保ちやすい(お掃除・お手入れがしやすい)ことも重要です。汚れが落ちやすく、乾きやすい加工がされていると、家事が楽になります。

身体状況などにより掃除の手間を減らしたい場合は、入浴後にひとつで髪や泡を流したり、床を洗浄・除菌する機能を検討します。


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浴室内の動作を補助する道具(手すり・福祉機器)を活用する

浴室内では、身体状況によって利用者の動きが異なります。それぞれでどんな動きをするかを確認しながら補助する道具(手すり・福祉機器)を設置・導入していきます。

代表的な補助する道具は以下の通りです。

  • 手すり
  • バスボード・移乗台
  • 入浴いす(シャワーチェア)
  • シャワーキャリー
  • 浴槽内いす
  • バスリフト

それぞれ特徴や注意するポイントを説明していきます。

手すり

手すりは「移動を補助する」「体の姿勢を保つ」場所に設置していきます。設置する場所を決める時には、普段手をついている場所を確認することも効果的です。

具体的には以下のタイミングをチェックします。

  1. ドアを開けて浴室に入る(脱衣室に出る)
  2. ドア⇄洗い場⇄浴槽に移動する
  3. 浴槽に入る(出る)

1.ドアを開けて浴室に入る(脱衣室に出る)


ドアを開けて浴室に入る(脱衣室に出る)ための手すり

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

ドアを開け閉めする際に身体を支える手すりや、シャワーチェアーやシャワーキャリー、移乗台などに移乗するときのサポートをする手すりなどを設置します。

2.ドア⇄洗い場⇄浴槽に移動する


浴室を移動する手すり

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

ドア⇄洗い場⇄浴槽の移動を支える手すりや、洗い場でシャワーチェアの立ち座りを支える手すりを設置します。

3.浴槽に入る(出る)


浴槽の出入りの手すり

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

浴槽の出入りの手すり2

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

浴槽内手すり

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

浴槽を出入りするためにまたぐ動作をするときや、浴槽内で姿勢を保つための手すりを設置します。

バスボード・入浴台・移乗台

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

バスボード

ファーストリフォーム 住宅建材カタログ<https://www.firstreform.com/fr/digital-books/>より引用

座りまたぎで浴槽に出入りする場合、浴槽に入浴台やバスボードを後付けし、安定した姿勢で座りまたぎができるようにします。

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

シャワーチェアより広いスペースが必要な場合は、洗い場に移乗台を設置します。

端座位での移乗が難しく長座位で移乗する場合や、長座位の方が洗体しやすい場合は、洗い場全体に移乗台を設置します。長座位で移乗する場合は、車いすと移乗台の隙間・段差がなくなるように配慮します。

移乗台の表面は、褥瘡(じゃくそう:『ずれ』や圧迫など外力による組織の障害で生じるキズのこと)予防のためにクッション性を持たせ、移乗台や床・排水口の掃除がしやすいように分割して取り外しできるようにします。

入浴用いす(シャワーチェア)

シャワーチェア

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

シャワーチェアを使用する場合は、座位が安定するように背もたれ、肘掛けがついているものを選定します。

ドアを開ける際に開けたドアにシャワーチェアが当たらないようにスペースの広さや配置する場所を確認しましょう。

また、車いすからシャワーチェアに移乗することや洗体のしやすさを考えて、シャワーチェアの座面の高さや洗面器置台の高さを合わせて調整します。

入浴用車いす(シャワーキャリー)

入浴用車いす カワムラサイクル

入浴用車いす カワムラサイクル

 

シャワーキャリーは自走用のものと、介助用のものがあります。

自走用のものは、フットレストが取り外しでき、浴槽出入りの際に車いすと浴槽の隙間・段差が少なくなるものを検討します。

介助用のものは、入浴前後にトイレを使用する場合、座ったまま排泄できるものを選定すると、入浴・排泄介助が楽になります。

床の段差があると移動が困難になるため、シャワーキャリーを使用予定の場合は特に床の段差のチェックが必要です。

浴槽内いす

浴槽内いす

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

浴槽内いすは、洗い場床より浴槽床が低い場合に設置して高さを揃えます。また、膝や股関節など下肢の疾病などにより立ち座りが困難な場合は、浴槽内にいすを設置することで、立ち座りしやすいよう配慮します。

いすに座る高さに合わせて、浴槽横の手すりの位置を調整します。

バスリフト

バスリフト

浴槽内での立ち座りが難しい場合は、電動式のリフトでの浴槽の出入りができるバスリフトを設置することで、介助者の負担を減らすことができます。

※バスリフトは介助者がついている状態で使用するように設計されています。

温度差を少なく暖かい浴室

断熱構造の浴室

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

浴室換気暖房乾燥機・洗面所暖房器

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

居室やリビングなどとの温度差により身体に負担がかからないように、断熱構造の浴室を設置します。しっかり断熱できるように床だけでなく、天井や壁、トラップや防水パンも断熱構造のものを選びます。

また、浴室換気暖房乾燥機や洗面所暖房器を設置して、浴室・脱衣室と住戸内の温度差をなくします。

浴室に換気機能をつけることで、シャワーチェアや移乗台など入浴に使用する機器が乾きやすくなります。衣裳乾燥機能もあわせてついていると、車いすなどでベランダへのアプローチが難しい場合に浴室内で洗濯物を乾かすことができます。

浴室・脱衣室に窓がある場合は、窓を断熱窓にします。


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「洗面室・脱衣室」のバリアフリーリフォーム

バリアフリーリフォームを考えている場合は、浴室とセットで洗面室・脱衣室も環境を整えます。

洗面室は脱衣室を兼ねることが多いため、ここからは洗面室と脱衣室のバリアフリーリフォームのポイントを紹介していきます。

「洗面室・脱衣室」内の使用者・介助者の動作を確認する

〔自立〕車いす使用者の洗面室の行動フロー


洗面所の動作フロー_介助なし

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

〔要介護〕車いす使用者の洗面室の行動フロー


洗面所の動作フロー_介助あり

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

上の画像は浴室内での利用者の行動フローです。利用者の身体状況によって必要なものが変わるのは、洗面室・脱衣室も同じです。洗面行為をするときや浴室に入る前の準備で何をしているか(どんな動作、手をつく場所、ものを置く場所など)をチェックして、必要な設備を設置します。

洗面室・脱衣室のスペースを確保する

洗面スペース

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

洗面所の出入り〜洗面化粧台へのアプローチ連動動作ができるスペースを確保します。車いすで洗面化粧台を使用する場合は、洗面所内に車いすを納めてドアを閉められるスペースと、洗面所のなかで車いすを方向転換できるスペースの確保が必要です。

脱衣室としても使用する場合は、着脱衣をできるスペースも含め1坪以上が望ましいです。

車いすで出入りできるように、出入り口は有効開口寸法900mm以上確保します。車いすの種類や部屋への入出方法によって必要な有効開口幅は異なります。(参考:車いすの種類と必要スペース で後述)

洗面化粧台の間口

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

洗面化粧台前スペース

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

洗面化粧台の間口は、車いすでアプローチしやすく、車いすの横に介助者が立って介助しやすいよう、間口900mm以上を確保します。間口750mmの場合は、洗面化粧台の横に幅150mm以上のトールキャビネットを設置することで、車いすの転回に必要なスペースが確保でき、方向の切り返しがしやすくなります。

洗面化粧台前のスペースは洗面所の出入り口の位置によらず、車いすでアプローチしやすいように、洗面化粧台の前に1050mm以上確保します。

参考:車いすの種類と必要スペース


車いすの種類と有効開口幅

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

車いすの種類によって有効開口幅と動作スペースが異なります。利用者の使い方に合わせて、必要な寸法を確保しましょう。

家全体を考えて、スペースの確保をどうするか-限られた空間と向き合う

水回りを一箇所にまとめる

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

住宅内の空間は限られています。車いすの利用を想定すると要所要所で転回するスペースを確保する必要があるため、どうやって空間の確保するかは大きな課題です。リビングやトイレ、浴室、通路など、それぞれの場所でスペースを確保しようとすると、どうしても空間の広さが足りなくなってしまいます。

その課題の解決策として、水回り(浴室・トイレ・洗面室)を1箇所にまとめてしまう方法があります。

洗面所を中心に浴室とトイレを配置することによって3つのメリットがあります。

  1. 風通しがよく、光が入るので明るく開放感のある快適な空間になります。
  2. 隣接スペースを使って掃除などの家事の動作が楽になります。
  3. 空間をシェアすることで、介助スペースが確保しやすくなります。

上の画像は洗面所とトイレの間の壁を取り除いた例です。壁がないことで便器横からの介助がなんとか可能になります。

水回りをまとめて一室にしてスペースを確保した施工事例

神奈川県横浜市 S様邸:トイレ+脱衣室(車いす用洗面台)バリアフリー工事【施工事例】

施工後写真

画像は車いす利用のためトイレを広くしたいとのお客様のご希望で、元あったトイレの個室と隣接する脱衣室の壁を壊し、一つの部屋にすることで、広さを確保した施工事例です。

換気設備は十分に作動するほか、暖房設備も完備して、トイレ・お風呂などヒートショックの起きやすい場所のケアもしています。


施工事例

神奈川県横浜市 S様邸:トイレ+脱衣室(車いす用洗面台)バリアフリー工事
施工事例:神奈川県相模原市S様邸:トイレ+脱衣室

洗面室が脱衣室を兼ねる場合は、脱衣動作を想定したスペースも作る

〔自立〕車いす使用者の脱衣動作


着脱衣の方法-介助なし

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

〔要介護〕車いす使用者の脱衣動作


着脱衣の方法-介助あり

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

立位で脱衣する場合は、車いすから立ち上がり、手すりや壁に寄りかかって、姿勢を保持しながら脱衣します。介助がある場合も同様です。

腰掛けて脱衣する場合は、いすや移乗台、車いす上で脱衣します。広い脱衣スペースが必要な場合は、浴室洗い場に設けた移乗台で脱衣する場合もあります。

それぞれ、脱衣するスペースを確保したら、動作に合わせて必要な場所に手すり、いす・移乗台、一時的な物を置く場所(服など)の場所を調整して設置します。

脱衣後、浴室に入るために脱衣室に車いすを置く場合や、シャワーキャリーに移乗する場合は、置き場所・移乗場所もあらかじめ考えておき、スムーズに浴室に向かえるように動線を設定します。


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洗面室のドアは引き戸が使いやすい

洗面室のドアの種類

出入り口のドアは立ち位置や車いすの位置を移動せずに、ドアの開閉が可能なものを設置します。

引き戸はドアを開けた時に身体があおられず、少ない力で開けることができるので便利です。有効開口が確保できる場合はできるだけ引き戸を選択します。

廊下突き当たりに洗面所がある場合は、車いすのフットサポートや車輪が入り込むスペースの確保、取手に手が届きやすくするために袖壁を300mm程度を設置します。

引き戸の、戸を開けたときに引いた戸を収納するスペースの確保が難しく、車いすの出入りに必要な有効開口が確保できない場合は、開き戸も検討します。

開き戸の場合は、袖壁を設けることで、立ち位置や車いすの位置を移動せずにドアの開閉が有効になります。開き戸は万が一の時に開けられるように外開きにします。洗面所の内側から閉められるるように、横取手(バー形状)を設置します。

洗面室の出入り口の段差の解消や、滑りにくく、掃除がしやすい床

転倒防止や車いすでの出入りを考慮し、洗面所の出入り口の段差はなくします。

また洗面室は、滑りにくく掃除がしやすい床材を選定します。車いすを使用する場合、引きずり傷や凹み傷がつく可能性があるため、耐久性も重視します。

洗面室の出入り口の位置を確認する

洗面室の出入りから洗面化粧台へのアプローチまで、動線が短く安定した姿勢で行えるよう、出入り口の位置を配慮します。

入浴時の脱衣室としても使用する場合は、浴室出入りの動作も考慮します。スペースの制約上、車いすを前向きにして退室できない場合は、真っ直ぐバックして退出できるように検討します。

車いす用洗面台を設置する

各メーカーで、車いす使用者向けの洗面化粧台がラインナップされています。

通常の洗面化粧台と違い、車いすの座面高さに合わせて洗面台のボウル部分の高さが設定されていたり、フットサポートやアームサポートが当たらないよう配慮されていたり工夫されています。

ここから先は、車いす使用者に使いやすい洗面化粧台の選び方を紹介します。

手洗い器の高さや足元のスペース

あふれ面高さ-いすと立位

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

あふれ面高さ-車いす

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

洗面台・体や車いすが当たらない構造

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

洗面台エンドパネル

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

車いすで洗面化粧台に近づいて使用できるよう、膝・つま先・フットサポート・アームサポートがぶつからないように配慮されたものを選びます。

洗面化粧台を、立位で使用する場合は750〜850mm、いすで使用する場合は700〜750mm、車いすで使用する場合は700〜750mm程度にあふれ面の高さを設定します。身体状況や体格にあわせて高さを調整したい場合は、昇降式を検討します。

エンドパネルの前出が短いもの(足元の空間に余裕があるもの)を選ぶと、洗面台の下に足が入り、車いすでのアプローチがしやすくなります。

カウンターやボウル形状を確認する

洗面台カウンター・ボウル形状

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

panasonicアクアハート洗面台特徴

(https://sumai.panasonic.jp/bathroom/aaqua_heart/a-u/feature.html)panasonic a-Uシリーズ 商品特長より抜粋

洗面台カウンター形状の掴みやすさ

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/815a55940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

石けんや洗面小物を置いたり、メガネなどを一時置きしたりできるように広いカウンタースペースを設置します。

ボウル底面にコップなどを置いて片手で動作できるよう、底面が広く平らなものを選定します。あわせて、汚れやすい洗面所を清潔に保てるよう、汚れが付きにくく掃除がしやすい仕様を検討します。

洗面のボウル部分が掴みやすい形状になっているものを選ぶと、掴んで車いすを引き寄せたり、腕を置いて身体を支えながら洗面行為ができます。

操作しやすい水栓を選ぶ

温水の境界にクリック感のある水栓

(https://sumai.panasonic.jp/bathroom/aaqua_heart/a-u/feature.html)panasonic a-Uシリーズ 商品特長より抜粋

自動水栓と混合水栓

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/815a55940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

ハンドシャワータイプ

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/815a55940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

身体状況にあわせて、操作しやすいシングル混合水栓や自動水栓を選定します。湯水の境界にクリック感があり、切り替えがわかる水栓を選ぶと、温度調整が簡単になります。

吐水部を手前に引き出せるハンドシャワータイプにすることで、ボウルの隅々まで洗い流せ、掃除がしやすくなります。身体の近い位置に吐水部を引き出せるので、介助もしやすくなります。

鏡の高さを調節する

手洗い器の鏡の位置

TOTO バリアフリーブック 住まいの水まわり編より抜粋(https://www.catalabo.org/catalog/detail/73831790000)

鏡は立位でも車いすでも上半身が映るように、鏡の下端を洗面器の上端にできるだけ近くなるように設置します。

タオル掛けの位置を調節する

洗面台タオル掛け

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/815a55940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

タオル掛けは、手洗い後に床に水だれしないように配慮し設置します。車いすの場合は、濡れた手で車いすを操作する必要がない位置に設置します。

立位でも車いすでも手が届く高さ(床から1200mm程度)に設置します。

収納の位置を確認する

洗面室収納

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/815a55940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

収納の位置を使用者や介助者の手が届きやすい位置に設置します。

引き出しタイプを選定することで、中のものが見やすく、取り出しやすくなります。

洗面用品だけでなく、ストックやケア用品など必要な収納量が確保できるように配慮します。介護用品などは、見えるように収納するか、見えないように収納するかは、使い勝手や使用者・介助者の精神的な部分も含めて考えて設置します。

照明やコンセントの位置を確認する

洗面台LED照明

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/815a55940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

洗面室や洗面化粧台の照明は、十分な明るさを確保します。長寿命なLED照明にすることで、交換頻度が少なくなるよう配慮します。

意外と忘れがちなコンセントも手が届きやすい位置にあるかチェックし、難しい場合は手が届く位置に別途別途設けるかも検討します。


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洗面室内の動作を補助するツールを活用する

洗面室内の動作にあわせて補助する道具を設置します。手すり・収納・移乗を助けるリフトなどが該当します。

手すり

出入り口の手すり

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/815a55940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

室内移動を助ける手すり

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/815a55940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

着脱衣の方法-介助あり

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/81555940000)TOTO株式会社 バリアフリーブック 住まいの水まわり編 より抜粋

出入り口の開け閉め、室内の移動、着脱衣、など動作にあわせて手すりを設置します。

介助しやすい天井走行リフト

洗面室が脱衣室を兼ねる場合は、車いすの移乗の介助を助ける天井走行リフトを検討します。

介護は毎日するものです。介助者の身体の負担を減らすことは重要です。天井走行リフトは、女性の力でも車いすの移乗の介助が可能になります。

天井走行リフトの施工事例-女性の力で車いす移乗の介助をする

画像は入浴用車いすと、それを利用するために広めのスペースをとったシャワーユニットです。車いす⇔入浴用車いすの移乗や脱衣を助ける天井走行リフトも設置しています。

ご依頼者は、車いす生活になったご主人を介助する奥様です。女性の力で、成人男性を持ち上げるのは難しいため、天井走行リフトの設置を決めました。


施工事例

神奈川県横浜市 I様邸:シャワーユニット・脱衣室(天井走行リフト・車いす用洗面台)・トイレ(オストメイト) バリアフリー工事【施工事例】

神奈川県横浜市 I様邸:シャワーユニット・脱衣室(天井走行リフト・車いす用洗面台)・トイレ(オストメイト) バリアフリー工事【施工事例】


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