バリアフリーリフォームをしたいと考えていても、本格的になればなるほど工事の金額が上がっていきますよね。介護には何かとお金かかるもの。
できる限り価格を抑えてリフォームしたいという方へバリアフリーリフォームに関する国や地方自治体の補助金・助成金の情報をお知らせします。
その中でも今回は、国が行う事業である「バリアフリーリフォームの特例措置 固定資産税減額」について説明していきます。
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バリアフリーリフォームとは家の中を住みやすくする、というでだけではありません。私共は、家の中の障害や不便をなくす事で、よりエネルギッシュに世界と繋がって生活ができることを目標にしております。
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リフォームをする際に受けられる減税の種類について
実は、リフォームに関わる国の優遇措置はいくつかあり、バリアフリーリフォームはその中の1つの事業です。
バリアフリーリフォーム以外でも、住宅リフォームで比較的よく行われるリフォームは、減税対象になるものがあります。
- 省エネ改修工事
- 多世帯同居改修工事(同居のため、トイレを増やすなど)
- 耐久性向上改修工事
- 耐震改修工事
それぞれ対象になる制度が違いますので、併せて検討してみてください。組み合わせ次第ですが、バリアフリーリフォームの税金特例措置と併用も可能です。積極的に利用してください。
減税制度や優遇措置には期限があります。利用する前にあらかじめ、国土交通省や国税庁などの公式サイトで最新情報の確認をお勧めします。
バリアフリーリフォームに関わる税金の優遇制度は「5つ」ある
バリアフリーを対象とした税の優遇措置には次の制度があります。
- 所得税額の控除
- 固定資産税の減額措置
- 贈与税の非課税措置
- 登録免許税の特例措置
- 不動産取得税の特例措置
そのうち、個人に関わる税の優遇措置は1〜3です。対象となる工事や住宅の要件や期間は制度により異なります。
ここでは主に「2.固定資産税の減額措置」について説明していきます。
バリアフリーリフォームで申請できる固定資産税の減額について
前述の通り、リフォーム工事を行なった際、一定の要件を満たすと「固定資産税の減額措置」を受けることができます。各市町村で、必要な手続きを踏むことで、翌年度1年分の固定資産税から1/3の減額措置を受けることができます。
※固定資産税とは…固定資産(土地、家屋、償却資産)の所有者が、その資産価値に応じて市町村に税金を納める税のこと。
固定資産税の減額の対象者・対象要件
居住者の対象条件:以下の要件のうち1つに該当すること | |
---|---|
1. | 65歳以上の方 |
2. | 要支援認定1,2か要介護認定1〜5の方 |
3. | 障害のある方 |
所得税の減税と違い、上記に該当するものが当該住宅を所有している必要はありません。あくまでも、上記に該当する方が居住している住宅であることが条件です。
対象条件:以下の要件を全て満たしていること | |
---|---|
1. | 新築された日から10年以上経過した家屋(マンション等の区分所有家屋の場合は、その専有部分) |
2. | 賃貸住宅でない家屋であること |
3. | バリアフリーリフォーム後の家屋の床面積(登記簿表示)が、50〜280㎡であること |
4. | バリアフリーリフォーム後の家屋の床面積1/2以上が居住用であること |
5. | 対象工事の工事費用が税込50万円を超えていること |
6. | 令和6年3月31日までに工事を完了すること(令和5年3月時点情報。期間に関しては、国税庁のHP:外部リンク参照) |
固定資産税の減額の対象工事
バリアフリーリフォーム減税の対象工事となるのは以下の工事です。「高齢者等居住改修工事等」とも呼ばれます。
- 通路等の拡幅
- 階段の勾配の緩和
- 浴室改良
- 便所改良
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 出入り口の戸の改良
- 滑りにくい床材料への取り替え
具体的な対象工事
1.通路等の拡幅の具体的な対象工事
介助用の車いすで、容易に移動するために通路または出入り口の拡張をする工事など。
該当する工事 | 備考 |
---|---|
壁、柱、ドア、床材等の撤去や取り替え等の工事 |
|
通路や出入り口の幅を拡張する工事と併せて行う幅木の設置、柱の面取りや、通路等の幅を拡張する工事に伴って取り替えが必要となった壁の断熱材入りの壁への取り替え等の一体工事 |
参考:車いすを使用する場合の通路幅の目安(国土交通省 基本寸法より抜粋)
寸法 | 意味 | |
---|---|---|
80cm | 車いすで通過できる寸法 | |
90cm | 車いすで通過しやすい寸法 通路を車いすで通行できる寸法 |
|
120cm | 通路を車椅子で通行しやすい寸法 人が横向きになれば車椅子使用者とすれ違える寸法 杖使用者が円滑に通過できる寸法 |
|
140cm | 車椅子使用者が転回(180度方向転換)できる寸法 杖使用者が円滑に上下できる階段幅の寸法 |
|
150cm | 車椅子使用者が回転できる寸法 人と車椅子使用者がすれ違える寸法 |
|
180cm | 車椅子使用者が回転しやすい寸法 車椅子使用者同士がすれ違える寸法 |
1.通路等の拡幅の施工事例
出入り口の変更
画像は、車いすで出入りするために、狭い玄関ではなく、リビングに車いすを使用したまま直接入れるように、元あったリビングの窓を出入り口として活用した例です。
他、リビングのドアを撤去。ロールスクリーンに変更することで、リビングと廊下の移動も楽になりました。
参考:施工事例を見る
2.階段の勾配の緩和の具体的な対象工事
階段の設置(既存の階段の撤去を伴うものに限ります。)または、改良によりその勾配を緩和する工事が対象です。
該当する工事 | 備考 |
---|---|
工事前の階段の勾配が工事後の階段の勾配と比較して、緩和したことが確認できる工事 |
|
階段の勾配を緩和する工事に伴って行う電気スイッチ、コンセントの移設等の工事は一体工事として含まれる | |
玄関の内側の階段の勾配と併せて行う玄関の外側の手すりの取り付けや、スロープの設置など、本体工事と一体のものとしてバリアフリー化の効用を果たす設備の取り替え、または取り付け |
3.浴室改良の具体的な対象工事
浴室を改良する工事であって次のいずれかに該当する工事が対象です。
該当する工事 | 備考 |
---|---|
入浴またはその介助を容易に行うために浴室の床面積を増加させる工事
|
次の 1.および 2に該当すること。
|
浴槽をまたぎ高さの低い物に取り替える工事
|
|
固定式の移乗台、踏み台その他の浴槽の出入りを容易にする設備を設置する工事
|
|
身体の洗浄を容易にする水栓器具を設置し、または同器具に取り替える工事
|
3.浴室改良の施工事例
4.便所改良の具体的な対象工事
便所を改良する工事であって、次のいずれかに該当する工事が対象です。
該当する工事 | 備考 |
---|---|
排泄または、その介助を容易に行うために便所の床面積を増加させる工事
|
次の 1.および 2に該当すること。
|
便器を座便式のものに取り替える工事
|
|
座便式の便器の座高を高くする工事
|
4.便器改良の施工事例
画像は、車いすの利用している状態で、トイレを使用しやすくするため(また、介助をしやすくするため)にトイレの床面積を拡張した例。
既存のトイレを拡張するのではなく、使用頻度の減っていた書斎をトイレに改装することで介助スペースを広くとるプランとなりました。
参考:施工事例を見る
After
Before
画像は和式便器から洋式便器へ便器を交換した施工事例です。
よくある一般的な住宅の和式便器は足を乗せる場所が一段上がっていることが多いため、床のかさ上げ(下げ)を一緒に工事することが多いです。
ご利用者様の身体状況によっては手すりなども設置していきます。
参考:施工事例を見る
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5.手すりの取り付けの具体的な対象工事
便所、浴室、脱衣室、その他の居室、および玄関や、これらを結ぶ経路に手すりを取り付ける工事
該当する工事 | 備考 |
---|---|
一体工事として手すりを取り付ける工事に伴って行う、壁の下地補強や、電気スイッチ、 コンセントの移設等の工事 | 手すりを転倒予防若しくは移 動又は移乗動作に資すること を目的として取り付けるもの であること |
玄関の内側の階段の勾配の緩和や、段差の解消と併せて行う玄関の外側の手すりの取り付けなど、本体工事と一体のものとしてバリアフリー化の効用を果たす設備の取替え、または取り付け
(併せて行うことが必ずしも必要でないものを除く) |
|
取り付けに当たって工事(ネジ等で取り付ける簡易なものを含む)を伴わない手すりの取り付けは含まれない |
5.手すりの取り付けの施工事例
画像は、道路(門)から玄関までをつなぐ屋外手すりです。お客様の階段を降りる動作を見ながら、片側もしくは両側に手すりがあった方がいいか、高さはどの位にしようかなどを考え設置をしています。
参照:施工事例
画像は、浴室の動作を補助する屋内手すりです。「どの位置で立ち座りをするか」や、「浴室に入って浴槽まで移動する時にどの位置に手をついているか」などをお客様の動作を見て検証しながら、設置をします。
参照:施工事例
6.段差の解消の具体的な対象工事
便所、浴室、脱衣室、その他の居室、および玄関や、これらを結ぶ経路の床の段差を解消する工事。(勝手口のその他屋外に面する開口の出入り口および、上がりかまち並びに浴室の出入り口にあっては、段差を小さくする工事を含む)
該当する工事 |
---|
敷居を低くしたり、床のかさ上げや固定式スロープの設置等を行う工事 |
一体工事として、床のかさ上げ工事を伴って行う下地の補修や根太の補強等の工事 |
玄関の内側の段差解消と併せて行う玄関の外側の手すりの取り付けやスロープの設置など、本体工事と一体のものとしてバリアフリー化の効用を果たす設備の取り替え、または取り付け(併せて行うことが必ずしも必要でないものを除く) |
取り付けに当たって工事を伴わない段差解消板、スロープ等の設置は含まれない |
6.段差の解消の施工事例
画像は部屋の敷居の段差を撤去するため、床をかさ上げした例。車いす利用のまま楽に部屋を出入りできるようになりました。
また、押し入れがあった位置にトイレを増設。ベッドの近くにトイレを作ることで、できる限り移動の負担を減らすことができます。
臭いなどもきちんと対策し、見た目も普通のクローゼットのような見た目を残すことで、部屋の中にあっても気にならない作りとなっています。
参照:施工事例
画像は、道路や駐車スペースから自宅玄関までの階段の近くに、スロープを設置したものです。身体状況や環境に応じて、転落防止のための側壁、手すりや足元を照らす灯りなども設置を検討します。
参照:施工事例
【before】
画像は、元あった敷居を撤去したものです。数ミリの段差でも意識しずらい場所に段差があると躓きの原因となります。職人の手により、元から敷居がなかったかのような仕上がりになります。
参照:施工事例
7.出入り口の戸の改良の具体的な対象工事
出入り口の戸を改良する工事であって、次のいずれかに該当するもの
項目 | 該当する工事 |
---|---|
開戸を引き戸、折戸等に取り替える工事 | 開戸→引き戸、折戸、アコーディオンカーテン等に取り替える工事 |
開戸のドアノブをレバーハンドルに取り替える工事 | 開戸のドアノブをレバーハンドルや取っ手など開閉を容易にするものに取り替える工事 |
戸に戸車その他のとの開閉を容易にする器具を設置する工事 | 引き戸、折戸等にレール、戸車、開閉のための動力装置を設置する工事や開戸を吊戸方式に変更する工事 |
出入り口の戸の改良の施工事例
画像はリビングと廊下の仕切りをロールスクリーンに変更した例。
ロールスクリーンはその場で紐を引くことによって開閉するため、車いす利用者にも優しい仕切りの一つです。
参考:施工事例を見る
After
Before
画像は開き戸→引き戸に扉を変更した施工事例です。
開き戸は開ける際、「一歩下がる(半身下げる)」→「ドアを引く」という動作をします。ドアノブ等で体を支えていると転倒の原因となります。
引き戸は最小限の動きで、ドアの開閉ができるため、変更を推奨しています。
参考:施工事例を見る
8.滑りにくい床材料への取り替えの具体的な対象工事
便所、浴室、脱衣室その他の居室および、玄関並びにこれらを結ぶ経路の床の材料を滑りにくいものに取り替える工事
該当する工事 |
---|
一体工事として、床の材料の取り替えに伴って行う下地の補修や根太の補強等の工事 |
滑り止め溶剤の塗布や、テープシールの貼り付けによる表面処理のみを行うものは含まれない |
6.段差の解消の施工事例
画像は部屋の敷居の段差を撤去するため、床をかさ上げした例。車いす利用のまま楽に部屋を出入りできるようになりました。
床をかさ上げした際に、床の材料も変更。滑りにくく怪我のしにくいものに変わりました。
参照:施工事例
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固定資産税の減額と計算方法
(外部リンク:一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会>リフォームの減税制度>Ⅱバリアフリーリフォームの減税制度(PDF))
バリアフリーリフォームで、所得税の減税も!
バリアフリーリフォームを行なった場合、固定資産税の減額のための市町村の申請の他に、確定申告で申告すると所得税の減税を受けることができます。固定資産税の減額とも併用が可能ですので積極的に活用したいですね。
(外部リンク 参考:No.1220 バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別控除)国税庁)
(外部リンク 参考:No.1218 借入金を利用してバリアフリー改修工事をした場合(特定増改築等住宅借入金等特別控除) 国税庁)
(外部リンク 参考:No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)国税庁)
バリアフリーリフォーム減税(所得税の減税)について詳しく知りたい方は下記のリンクをご覧ください。
申請の時に確認すること:必要書類について
- 固定資産税の減額措置を受ける場合に必要となる証明書は、市区町村により異なります。物件所在の市区町村にお問合せください。
- 申請は工事完了日から3ヶ月以内に申請をしてください。
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